レイフは兄貴のほうですよね…未だに覚えられないのですがどうしたら… 1992年のエミー賞を受賞したイギリスのテレビドラマ。パリを舞台に、『アラビアのロレンス』で有名なトマス・エドワード・ロレンスがシリア独立のために孤軍奮闘する、いうなれば映画の後日譚です。たとえば映画の冒頭でバイクをぶっ飛ばすシーンがありますが、それとまったく同じカットがあったり、明らかに意識しているんだろうなぁというところがいくつか見受けられます。 「夜に夢を見る人間は正常だ。朝目が覚めたとき、現実の虚しさに気づくことができるから。 昼夢を見る人間は手に負えない。見た夢を現実に映そうとするから。私だ」 『アラビアのロレンス』は衝撃を受けた映画の一つです。 オトゥールは純粋そうに見えてもともと狂気が含まれているような不気味さを持つ俳優さんですが、ファインズはきっとこれまでの経過から徐々におかしくなってきたんだなぁ、という不憫さがありますね。というかファインズって百面相;(オーバーアクトではないことを信じます)常にアルカイックスマイルなのですが、ほっぺたの引き攣り具合が半端なく怖い。 ロレンスについては是非とも調査してみたいところなのですが知識不足で残念…ロレンスがアラビアで働いたのはイギリスのためか、それとも映画の如くベドウィンのためであったか。実際のところは本人とイギリス政府のみぞ知る。今回の映画、自らの矛盾に気付きながらそれでもファイサルを擁護して…まぁ、かなり好意的に描かれています。 「アラビアの英雄であるイギリス人」ロレンスはヨーロッパでは有名人。一民族の族長でありながらも知名度は圧倒的に低いファイサル。報道陣に取り囲まれるロレンスにファイサルがムカつくのも仕方がない話です。そして更に可哀想なのは、そんな状況を望んでいないのに、祭り上げられてしまうロレンス。 ヨーロッパのロレンス支持=帝国主義の賛美になるということを彼らも気付いている。最初はあの有名な格好で公式の場に登場したりと、それでも真っ当な方法で自らの意思を主張していたりします、難しいとは分かっていても希望を持っていたりします。けれど政治の世界はそんなに甘くはない。自らの利益を優先させるヨーロッパの首脳陣と(ロレンスが彼らの思惑をよく知っていたし、意識していたということは、彼らがロレンスを繰り返し弾劾することで強調されています)、独立に過剰な期待をかけるファイサル。その板ばさみになったロレンスは追い詰められ…実際どんな人だったかは知りませんが、彼は自分で思っているよりはるかにストイックであったことは確かです。 また、父の死をきっかけに友人に自らの出生の秘密を語るところ。これは相当コンプレックスだったのでしょう…一番弱っているときに一番つらい真実を話す。凄い自虐; 「生まれたときから自らを偽っている」ロレンス。アラビアという全てをリセットした地で、思うが侭に生きたかったのでしょうか。でもそれこそ、彼の病的に近い潔癖さが自らを開け放つことを許さなかった。それに、結局イギリスという場所が追ってくる、逃げることは出来ない。 それとあの入浴シーンで、背中の傷を「鞭の痕じゃないのか」と訪ねられたときロレンスは凄く怒っていましたが、あれって確か映画で拷問を受けた場面とリンクしているんですよねぇ…何故怒るか理由がよく分からないのですが…; 似たような露骨な感情表現といえば、迫ってくる奥さんを拒絶する際の狂ったような笑い(まさしく「爆発」という表現が似合うような)とかですが、あれかな、ロレンス=ゲイ・セクシャル説を採ってるってことなんでしょうか。 ラストは割りとなぁなぁな感じで…というか、「まだまだこれからだ」という言葉は、清潔さを捨てたロレンスとファイサルが、政治という獣道を突き進んでいくということを暗示している…??結局彼らは効しきれなかった。最後、二人で駱駝に乗っている姿を俯瞰したモノクロフィルムが凄く切ない… うん、とりあえず『知恵の七柱』だ。 |
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